オゾンホール

[ オゾンホール ]

解説

成層圏オゾンの破壊が進み、毎年春先に南極上空で濃度が急速に減り、周辺に比べて穴があいたように低濃度部位が観測されることから名づけられた現象。

洗浄、冷却などの産業活動によって地上から排出されるフロン等の物質はきわめて安定で、分解されないまま成層圏に達し、拡散する。高度20キロのあたりに至ると、強い太陽の光によって分解され塩素分子が放出される。この塩素分子がオゾン層を破壊する原因物質となる。南極では毎年冬になると成層圏に強い西風が取り巻き、そのため極域成層圏雲と呼ぶエアロゾル(空気中のホコリ)の雲ができ、これにより塩素が放出される。冬の間にこうして解放された塩素は、春になると太陽が当たり始め、紫外線を受けて一気にオゾンの破壊をはじめる。これが、南極特有のオゾンホールの原因と考えられている。北極では地形の関係から 極夜渦ができにくく、南極とは条件が異なるため、オゾンホールは形成しにくいといわれている。

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