エルニーニョ現象
[ エルニーニョゲンショウ ]
太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が半年から1年半ほど続く現象。スペイン語で「神の子」を意味する。海面水温が高くなる現象がクリスマスの頃に顕著なことから、ペルーの漁師たちが名付けた。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる(エル・ニーニョの女性形)。
気象庁では1961年から1990年までの海面水温の平均(基準値)との差の5ヶ月移動平均値が6ヶ月以上続けて+0.5度以上となった場合をエルニーニョ現象と定義している。これまで、数年に一度発生している。エルニーニョ現象が発生すると、太平洋全域の海水温分布が変化し、これが気圧配置に影響を及ぼし、世界各地でさまざまな気候影響が現れる。日本ではエルニーニョ現象の発生時に冷夏や暖冬になりやすく、また夏と冬に多雨となる傾向がみられる。
ヨーロッパ南部での夏の多雨による河川の氾濫や、アフリカでの小雨による干ばつなど、エルニーニョの気温や降水量への影響は人間生活にも大きな影響を与える。