エネルギー基本計画

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解説

エネルギー政策の基本的な方向性を示す計画で、エネルギー政策基本法第12条の規定に基づき政府が作成する。2003年10月に策定後、エネルギーを取り巻く環境の変化から2007年3月の第1次改定を経て、2010年には第2次改定が行われている。基本法の「安定供給の確保」、「環境への適合」、「市場原理の活用」などの基本方針にのっとり、10年程度の将来を見通してエネルギー需給全体に関する施策の基本的な方向を定性的に示す計画である。

2010年の第2次改定のポイントは、基本的視点として、従来の3E(エネルギーの安定供給確保/Energy security、温暖化対策の強化/Environment、効率的な供給/Efficiency)に、エネルギーを基軸とした経済成長の実現と、エネルギー産業構造改革が追加されたことである。この計画では2030年に向けての数値目標と取り組みを示しており、実現すれば、同年までに対90年比で温室効果ガス排出量は30%低減すると経済産業省は試算している。

しかし菅内閣における今回の試算は、条件付きながら温室効果ガス2020年対90年比25%削減を国際社会に打ち出していた鳩山内閣の目標をシフトしたという批判も強い。また、具体的内容では、家庭・自家用車での排出半減を言う反面、産業界に甘いという声も聞かれる。中でも、原発の大幅な新増設を図るとの路線に関しては、疑問の声も上がっていた。その後、2011年3月11日の東日本大震災と大津波により、福島第一原子力発電所で4基の原子炉が全電源喪失事故を起こし、うち3基は炉心溶融の結果、大量の放射性物質漏洩に至るという大惨事に至った。菅首相は原発推進路線を謳った現行のエネルギー基本計画の白紙からの見直しを表明した。

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