BOD

[ ビーオーディー ]

解説

水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量のことで、河川の有機汚濁を測る代表的な指標。

環境基準では、河川の利用目的に応じて類型別に定められている。また水質汚濁防止法(1970)に基づく排水基準が定められている。BODが高いとDOが欠乏しやすくなり、10mg/L以上で悪臭の発生等がみられる。

なお、BODは生物によって代謝されやすい有機物を表現しているもので、代謝されにくい物質は測定値のなかに入ってこない。また排水中に生物に対して有毒な物質が含まれていると、生物の活性を低下させるため、実際よりも低い値となる。

一方、長時間のBOD測定でアンモニアや亜硝酸のような無機物質による酸素消費がみられると、測定値が実際よりも高くなる場合がある。

似たような指標にCODがある。(環境基準では湖沼と海域ではCODで定められている)。これは、河川は流下時間が短く、その短い時間内に生物によって酸化されやすい有機物を問題にすればよいのに対して、湖沼や海域は滞留時間が長く、有機物の全量を問題にする必要があること、また湖沼には光合成により有機物を生産し、溶存酸素の消費・生成を同時に行なう藻類が大量に繁殖していることから、BODの測定値が不明瞭になることなどによるとされる。

詳細解説

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