間伐
[ カンバツ ]
植林してある程度育ってから主伐されるまでの間に、繰り返し実施される間引き伐採をいう林業用語。若齢段階の森林は、高木性の樹木が林冠を形成し、林冠が強く閉鎖され、林内の照度は低くなり、林床植生が消失するなど生物多様性が低下するほか、水土保全の機能も低くなる。また、林冠を形成する樹木相互間の競争の結果、優劣、不整が生じ、林分全体としても、個々の樹木についても、成長、形質が低下することとなる。このため、人工林については、間伐により、林冠の閉鎖度を適度に調整し、生産目標に沿う立木密度を保つこととしている。なお、天然林についても優良材生産等のため間伐を実施する場合がある。間伐を行うに当たっては、間伐率と間伐木を定める必要があり、管理目標に応じ、多様な考え方がある。間伐の主目的は保育であるが、間伐材を利用することによる収入源としての意義も大きい。しかし、立木価格の大幅な低下と経費の高騰の結果、採算のとれる間伐は少なく、間伐木は林地に放置されるものが多いほか、必要な間伐が実施されないまま放置された森林が多く(「施業放棄森林」)問題となっている。