生物多様性

[ セイブツタヨウセイ ]

解説

 もとは一つの細胞か ら出発したといわれる生物が進化し、今日では様々な姿・形、生活様式をみせている。このような生物の間にみられる変異性を総合的に指す概念であり、現在の 生物がみせる空間的な広がりや変化のみならず、生命の進化・絶滅という時間軸上のダイナミックな変化を包含する幅広い概念。
 生物多様性条約など一般には、
・様々な生物の相互作用から構成される様々な生態系の存在=生態系の多様性
 ・様々な生物種が存在する=種の多様性
 ・種は同じでも、持っている遺伝子が異なる=遺伝的多様性
 という3つの階層で多様性を捉え、それぞれ保全が必要とされている。
 種内の多様性(遺伝子の多様性)は環境適応や種の分化など生物進化のもとであり、低下すれば種の遺伝的劣化が進んで絶滅の危険性が高まる。一方、生態系の多様性は多様な種が棲み分けることでさまざまな自然条件に適応した結果であり、低下すれば環境変化などによる種の絶滅リスクが高まる。種間の多様性はこれら双方の基となり、生物多様性の要といえる。
 生物多様性は生命の豊かさを包括的に表した広い概念で、その保全は、食料や薬品などの生物資源のみならず、人間が生存していく上で不可欠の生存基盤(ライフサポートシステム)としても重要である。反面、人間活動の拡大とともに、生物多様性は低下しつつあり、地球環境問題のひとつとなっている。国際的には生物多様性条約に基づく取り組みが進められ、日本でも生物多様性基本法の制定や生物多様性国家戦略の策定をはじめ総合的な取り組みが進められている。(2014年7月改訂)

詳細解説

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