水俣条約

[ ミナマタジョウヤク ]

解説

世界規模の水銀汚染対策のための国際条約として、2013年に採択され現在、署名の手続きが進められているもの。

2002年に国連環境計画(UNEP)は、水銀の人への影響、汚染実態をまとめた報告書(世界水銀アセスメント)を公表し、地球規模の水銀汚染対策に取組む必要性を指摘した。これを受けて2009年の第25回UNEP管理理事会では、法的拘束力のある文書(条約)の制定、そのための政府間交渉委員会(INC)の設置、2013年までの取りまとめなどが合意された。INCの第1回会合はストックホルムで、第2回会合は2011年1月、千葉市幕張メッセで開催されている。その後、2013年10月に水俣市で条約が採択され92か国が署名した。

条約に盛り込まれる項目として、水銀の供給削減、水銀の意図的使用の削減、大気・水・土壌への排出削減、経過措置、資金支援、普及啓発・研究などがあげられている。

日本は、水俣病を経験した国として積極的に関与することとし、2013年1月に開催されたジュネーブにおいて条約の採択・署名の外交会議を招致し、条約の名称を「水俣条約」と名づけることを提案している。(2015年5月改訂)

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