暑さ指数

[ アツサシスウ ]

解説

人間と環境との間の熱の移動は、伝導、輻射、対流,蒸発に依存している。これらに関与する具体的な環境条件としては、気温、気流、湿度、物体表面温度(輻射熱)が挙げられる。

これらの要素を取り入れ、高温時の労働や運動での健康影響(熱中症)を予防するための指標として、1954年にアメリカで提案されたWBGT(wet-bulb globe temperature:湿球黒球温度)が国際的に広く採用されている。

環境省熱中症予防情報サイトにおける暑さ指数(WBGT)は、11地点の実測値(11地点)と実況推定値(829地点)として提供されている。実測値の計算式は以下のとおり。

WBGT=0.7×Tw(湿球温度)+0.2×Tg(黒球温度)+0.1×Ta(気温)

また、実況推定値の計算式は以下のとおり。

WBGT=0.735×Ta(気温)+0.0374×RH(相対湿度)+0.00292×Ta×RH+7.619×SR(全天日射量、kW/m2)-4.557×SR2-0.0572×WS(平均風速、m/s)-4.064

また、日本気象学会の「日常生活における熱中症予防指針」では、WBGTを「温度指標」に採用し、温度指標によって以下の4段階の温度基準域を設定している。 「危険」(31℃以上):すべての生活活動でおこる危険性。高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 「厳重警戒」(28℃以上31℃未満):外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 「警戒」(25℃以上28℃未満):中等度以上の生活活動でおこる危険性。運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 「注意」(25℃未満):強い生活活動でおこる危険性。一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。(2023年4月改定)

詳細解説

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