共生

[ キョウセイ ]

解説

異なる種類の生物が、互いに行動や生理(生物に本来備わっている、生きていくための仕組み)活動において互いに緊密な関係を保ちながら生活している現象をいう。両方の生物が利益を得ている「相利共生」、一方は利益を得るが他方は利益も害も受けない「片利共生」、一方は利益を得るが他方は害を受ける「寄生」に区分される。狭義には、相利共生のことを共生と呼ぶ場合がある。アリとアブラムシ、ヤドカリとイソギンチャク、根粒バクテリアとマメ科植物など様々な生物間での例がある。特に地衣類は、藻類菌類の共生体であるが、その組み合わせに基づいた独特の形態や特有の生理作用をもつため、地衣植物として独立した植物種とみなす場合がある。

近年、共生という言葉は、こうした生物学的な意味ではなく、「人間と自然との共生」といった環境保全上の文脈で使われることが多くなっている。1993年に策定された環境基本計画では「共生」、「循環」などをキーワードとしており、2000年に策定された第二次環境基本計画以降でも引き継がれている。2024年に策定された第六次環境基本計画では、環境収容力を守り環境の質を上げることによって経済社会が成長・発展できる「循環共生型社会」(「環境・生命文明社会」)の構築を目指すとしている。(2025年6月加筆)

詳細解説

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