中皮腫

[ チュウヒシュ ]

解説

肺、胃腸・肝臓などの腹部臓器や心臓は、それぞれ胸膜、腹膜、心膜に包まれており、この膜の表面を覆っている中皮から発生した腫瘍(体細胞が過剰に増殖する病変のこと、癌(がん)もその一つ)を中皮腫と呼ぶ。

中皮腫には良性のものと悪性のものがあるが、悪性中皮腫はかなり希な疾病であり、その発症にはアスベスト(石綿)が関与していることが多いといわれる。職業上の暴露事例では、暴露されてから中皮腫が発症するまでの潜伏期間は最短でも11年であり、平均では35-40年と極めて長いという特徴がある。中皮腫の発生部位としては、胸膜が圧倒的に多く、次いで腹膜で、心膜と精巣鞘膜にも僅かながら発生の報告がみられる。

厚生労働省労働基準局長通達(平成15年9月19日付け基発第0919001号)は、石綿との関連が明らかな疾病として石綿肺、肺がん、中皮腫などを挙げ、その認定基準を示している。

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