メチル水銀

[ メチルスイギン ]

解説

 水銀にメチル基(-CH3)が共有結合した化合物。一般的にはモノメチル水銀を指すが、モノメチル水銀とジメチル水銀の総称として使われる場合もある。かつて、メチル水銀は種子消毒、水虫治療などの用途に用いられた。有機水銀の中でもメチル水銀の毒性(神経毒性)が最も強い。特に胎児は感受性が高く、その神経系の発達に影響を及ぼすことが知られている。メチル水銀の海外での中毒事例として有機水銀農薬製造工場での職業性曝露、メチル水銀で消毒した種子用小麦で作ったパンによる中毒(イラク)などがある。また、我が国では化学工場の排水に由来するメチル水銀の健康被害(水俣病)が発生した。メチル水銀は脂溶性の物質であり、生物濃縮を受けやすい。熊本新潟病や新潟水俣病は、排水に含まれたメチル水銀が食物連鎖を介して魚介類に高濃度に蓄積され、その汚染された魚介類を食べた人にメチル水銀の慢性中毒症状が発現したものである。また、自然の魚介類にもメチル水銀の含有量の高いものがあることが知られており、厚生労働省は「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」を公表している。(2014年9月改訂)

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