ダイオキシン類

[ ダイオキシンルイ ]

解説

有機塩素化合物の一種であるポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)を略して、「ダイオキシン」と呼ぶ。

ときに、「ダイオキシン類」という表記がされる。これは、塩素含有物質等が燃焼する際に発生する、狭義のダイオキシンとよく似た毒性を有する物質をまとめて表現するもの。ダイオキシン類対策特別措置法(1999)では、PCDD、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)をあわせて「ダイオキシン類」と定義。いずれも平面構造を持つ芳香族有機塩素化合物で、置換した塩素の数や位置により多数の構造異性体が存在。

塩素と有機物(ベンゼン環)存在下で、銅を触媒にして生成する。特に250-400℃の比較的低温で、有機塩素を含むプラスチックを不完全燃焼すると発生しやすい。

廃棄物処理に係る環境省の基準によれば、ダイオキシンの発生防止には、焼却炉の構造と特定の運転条件が必要で、(1)廃棄物の連続定量投入、(2)燃焼温度800℃以上の高温処理、(3)十分なガス滞留時間(1-2秒以上継続)、(4)200℃以下への排ガスの高速冷却とバグフィルターの設置、(5)排ガス中のCO濃度の連続的測定記録、などを義務付けている。

ダイオキシン類の除去方法には、バグフィルターの他に活性炭等に吸着させる方法、触媒により分解する方法があり、無酸素状態で400-450℃に加熱すれば分解することも確認され、実行されている。

詳細解説

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