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「リサイクル」バックナンバー

0022009.07.28UP循環型社会を目指した食品のリサイクル

廃棄される食品を豚の飼料へ

くいまーるプロジェクトのエサで育てられている豚。
くいまーるプロジェクトのエサで育てられている豚。配合飼料での養豚より時間をかけて肥育します。

 私の働いているNPOで力を入れているのが食品のリサイクル。スーパーマーケットやホテルから食品廃棄物を集めて、豚の飼料を作り、豚を育てて質の良い肉を作る事業です。名づけて「くいまーるプロジェクト」。「くいまーる」とは“食う”と“回る”と 相互扶助の沖縄の言葉“ゆいまーる”を掛け合わせた造語です。

 もともと沖縄では、残飯で豚を育てる農家が各地にありました。でも、たくさんの豚を効率よく育てるために、外国から輸入したトウモロコシや大豆カス、麦などの穀物を混ぜた配合飼料を食べさせる農家が増えました。
 一方、国は平成13年に食品リサイクル法を施行しました。食品の製造や調理過程で生じる加工残渣(ざんさ)で食用にすることができないもの、流通、消費などの段階で生じる売れ残りや食べ残しなどの発生をおさえ、減量やリサイクルを進めるための法律です。この法律では、食品廃棄物のうち飼料や肥料に有効利用されるものを「食品循環資源」と呼んでいます。

資源循環の仕組みづくり

くいまーる豚肉
肉汁が多く、やわらかくて旨みがあると評判のくいまーる豚肉

 プロジェクト発足当時の那覇市は新焼却炉建設への周辺住民の激しい反対運動があり、「ごみ問題」が重要な課題でした。そのような状況の中、ごみを減量するために、私たちは食品廃棄物を少しでも資源化したいと思いました。そこでまず、スーパーマーケットなどのお店から出る食品廃棄物をリサイクルしようと考えました。そのためには、どんな食品がどのくらい廃棄されているのかを知る必要があり、調査をしたところ、売れ残りや、魚の骨やアラ、野菜くずがほとんど。「もったいないな」と思えるような売れ残りの食品もありました。でも、お店としては商品の品質を保つ上でしかたなくごみとして処分しなければなりません。

 食品リサイクル法ができたこともあり、食品廃棄物をリサイクルすべきなのに、そのための仕組みが少ないので、NPOで考えることにしました。そして、回収業者や排出先のスーパーマーケットやホテル、養豚農家の協力も得て「くいまーるプロジェクト」の仕組みができたのです。

美味しい豚を育てる

食品廃棄物の提供元、ジャスコ南風原店での試食販売の様子
食品廃棄物の提供元、ジャスコ南風原店での試食販売の様子

 平成15年には食品廃棄物を飼料化し、良質の豚の飼料を作る研究をしました。この研究は私たちと一緒に、豚の専門家や機械の専門家、環境コンサルタント、養豚農家が知恵をあわせて、安心で美味しい豚を育てていこうというものでした。
 「野菜くず」「パン」「ごはん」「魚のアラ」「お弁当」などを種類ごとに分けて排出先から出してもらい、栄養を考えて豚のエサに使う配合を決め、熱を加えて乾燥させる装置も開発しました。様々な立場で関わる人々の地道な努力の結果、現在、肉質はホテルや焼肉店などで評価が高く、順調に取引されています。
 豚の飼料に使わなかった残りの食品循環資源は堆肥に利用されています。
 また、育てている豚の豚舎には木を細かくけずったオガクズを敷いていて、豚の糞尿がしみこんだオガクズも堆肥に利用しています。

 「くいまーるプロジェクト」は環境を考え、残った食物をまた食の循環の輪に戻す仕組みです。沖縄にとって豚は食文化で欠かせないものですから、美味しい豚を循環の仕組みで育てていくことはやりがいのある仕事です。

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